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フローチャート(フロー図)とは?メリットや役立つシーン、作成方法などを解説


フローチャートは、業務フローやシステム処理など、順を追って実行される複雑なプロセスをわかりやすく整理するために用いられる設計図のこと。


たとえば、システムエンジニアやプログラマーなどは、フローチャートを見慣れているかもしれません。しかし、業界や業種によっては、あまりフローチャートを見る機会がなく、理解しづらい方もいるでしょう。


そこで本記事では、フローチャートの概要やメリット、役立つシーンなどについて解説します。


フローチャートについて幅広い知識を得たい方にとって参考になる内容となっているため、ぜひ読んでみてください。


フローチャートとは?



フローチャートとは、プロセスを記号で示して、業務フローやシステム処理などをわかりやすく整理した設計図のこと。


主に、円形や長方形、ひし形といった図形と、矢印を使って作成されます。フローチャートの記号が示すルールを理解すれば、業務フローやシステム処理などを理解しやすくなるでしょう。


とりわけプロジェクトが複雑かつ大規模になった場合、フローチャートを用いて、プロセスを整理するのに役立ちます。


基本的なフローチャート記号



基本的なフローチャートは以下の4つです。


  • 円形:開始・終了

  • 長方形:プロセス(処理)

  • ひし形:判断(条件分岐)

  • 線または矢印:フロー


それぞれについて詳しく説明します。


円形:開始・終了


円形は、業務フローまたはシステム処理などの開始および終了に配置される記号です。ひとつの業務フローが、どのように始まりどのように終わるのかを明示します。この「開始・終了の記号」は「端子記号」とも呼ばれます。


長方形:プロセス(処理)


長方形は、業務フローのおけるひとつのプロセスや工程、処理などを意味する記号です。ステップや機能、動作、操作などのアクションを指すこともあります。


ひし形:判断(条件分岐)


ひし形は、「Yes/No」「ある/なし」「〇/×」のように、条件によって変わるときに使われる記号のことです。「判断記号」と呼ばれることもあります。


線または矢印:フロー


線または矢印は、プロセス(処理)や判断(条件分岐)のあいだをつなげる記号のこと。線は業務が同時に進む場合、矢印は時系列で進む場合に使われます。


フローチャートが使われるようになった背景


フローチャートは、1920年に開発されました。そもそもフローチャートは「フロープロセスチャート」と呼ばれており、生産ラインや作業工程などの計画に活用されていました。


その後、1930年ごろに業務効率化のフレームワークとして活用されることになり、現在ではプログラミングやシステム開発などでも幅広く採用されています。


フローチャートを作成する5つのメリット


フローチャートを作成する5つのメリットは以下の通りです。


  • 全体像を把握しやすい

  • プロセスを言語化できる

  • 処理やフローの抜け漏れに気付ける

  • それぞれのプロセスの効率化を図れる

  • 業務の属人化を防ぐ


それぞれについて詳しく説明します。


全体像を把握しやすい


フローチャートを作成すると、業務フローやシステム処理などの全体像を把握しやすくなります。すべてを可視化させ、プロセスの数や種類、そのつながりなどを一目でわかるようにするためです。


たとえば、業務フローをフローチャートで書き出してみると、誰がいつどのように判断して何をしているかどうかがわかるようになります。


また、その判断にどれだけの時間がかかっているか、などを具体的に考えていくと、全体のうちどれだけの工数をそのプロセスで使っているか洗い出すことも簡単です。


プロセスを言語化できる


フローチャートは、業務フローにおけるプロセスを言語化するのに役立ちます。


たとえば、新人に業務フローを伝える場合、身振り手振りで伝えるよりもフローチャートを提示するほうがうまく伝わるかもしれません。


処理やフローの抜け漏れに気付ける


フローチャートを作成するうえでプロセスを書き出すと、プロセスの前後やプロセスを実行するための条件を意識しやすくなります。その結果、処理やフローの抜け漏れに気付けることもあるでしょう。


たとえば、もしチェックリストの確認作業を怠った場合、のちのちのプロセスで重大な欠陥が見つかることも想定されるため、手を抜くことなく確認作業をおこなうという意識が芽生えるかもしれません。


また、フローチャートでプロセスを可視化した結果、重要な条件分岐があったら、そのプロセスはダブルチェックでおこなうといった対策を取ることもできます。


ミスを未然に防ぐことは、個人または企業としての信頼を築くうえで重要なことです。


それぞれのプロセスの効率化を図れる


フローチャートを作成することで、業務フローやシステム処理の手順や流れを客観的かつ俯瞰的に把握できるようになり、それが効率化や改善のアイデアにつながります。


フローチャートを作成していれば、今後の作業の全体像が見えているため、たとえば部品の仕入れや材料の仕込みなどを失念する恐れが減ります。


とりわけ、ひとつの業務フローを複数人で担当している場合、ほかの人が何をおこなっているか見えづらくなります。そのため、フローチャートを作成して、全体を俯瞰して見えるようにするのは非常に有意義です。


業務の属人化を防ぐ


あらかじめ業務フローやシステム処理をフローチャートにしておくことで、実際に業務に携わるメンバー以外も何をおこなっているか理解することができ、業務の属人化を防ぎます。


業務の属人化が起こってしまうと、その担当者が突然休職あるいは退職してしまった場合、誰も業務内容を理解しておらず、きちんと引き継ぐことができません。


つまり、とりわけ担当者の変動が多い業務において、フローチャートは有効です。


フローチャートが役立つシーン


続いて、フローチャートが役立つシーンについて解説します。ポイントは以下の3つです。


  • 業務を始めるとき

  • 業務を分解して理解するとき

  • 業務に対する共通認識を持つとき


それぞれについて詳しく説明します。


業務を始めるとき


新しい業務を始めるとき、その一連の流れのプロセスを可視化するうえでフローチャートは役立ちます。


メリットでも解説した通り、プロセスの抜け漏れを防ぎ、誰がどのように判断して何を実行するか、わかりやすく整理します。


業務を分解して理解するとき


フローチャートは、業務を分解して理解するときにも役立ちます。


たとえば、プロジェクト成功に至るまでのプロセスをフローチャートで書くと、自ずと誰が何をするべきか明確になるでしょう。そのほか、フローチャートによってプロセスを可視化することで、重要なポイントや改善できるポイントに気付くこともできます。


業務に対する共通認識を持つとき


たとえば何かトラブルがあって業務に対する共通認識を持ちたいとき、フローチャートは役立ちます。


とりわけ、クライアントに導入したいシステム処理の仕組みを説明するときには非常に役立つでしょう。さらに、そもそもその業務について詳しく知らない相手に説明する際、理解を促すことができ、効率的に共通認識を持つことができます。


フローチャートの作成方法


続いて、フローチャートの作成方法について紹介します。


  1. フローチャートを作成する目的を明確にする

  2. プロセスを洗い出す

  3. 適切なフローチャート記号を選ぶ

  4. 線または矢印でつなぐ


それぞれの内容について説明します。


1.フローチャートを作成する目的を明確にする


まず、フローチャートを作成するときは、その目的を明確にしてください。


基本的に1つの業務ごとにフローチャートにしていくため、たとえば「会員登録のシステム処理を明確にする」といった目的を持つことをおすすめします。


あまりにも多くの情報を入れすぎてしまうと、かなり理解しづらいフローチャートになってしまうため、簡潔に目的を考えるとよいでしょう。


2.プロセスを洗い出す


次に、プロセスを洗い出してください。


フローチャートを作成する場合、いきなり記号を使ったりプロセスをつなげたりするところから始めてしまうと、プロセスの抜け漏れや考慮不足が発生してしまうもの。


そこで、実際の業務フローやシステム処理をイチから考えて、すべてのプロセスを洗い出すことに専念してください。


3.適切なフローチャート記号を選ぶ


次に、洗い出したプロセスを「開始・終了」「プロセス(処理)」「判断(条件分岐)」のいずれかの記号を使って時系列に並べていきましょう。この際、左上から右下に向かって時系列で並べていくのがルールです。


4.線または矢印でつなぐ


各プロセスを記号を使って書いていったら、最後に線または矢印を使ってつなげていきます。とりわけ矢印は、視覚的に進行方向をわかりやすく示すことができるため、理解促進につなげられるでしょう。


フローチャートを作成する際の3つのポイント


フローチャートを作成する際の3つのポイントについて解説します。ポイントは以下の3つです。


  • 基本構造を理解したうえで作成する

  • 見やすいデザインを意識する

  • 1つのフローは1ページに収める


それぞれについて詳しく説明します。


基本構造を理解したうえで作成する


フローチャートは、以下の3つの基本構造の組み合わせでつくられています。


  • 順次構造:記述されている順番通りに進む

  • 分岐構造:条件によって進むプロセスが違う

  • 反復構造:条件を満たすまで処理を繰り返す


この3つの基本構造を理解しておけば、フローチャートの作成はそれほど難しくありません。


見やすいデザインを意識する


フローチャートを作成するときは、見やすいデザインを意識してください。見やすいデザインのポイントは以下の通りです。


  • 使う色は3種類程度にする

  • 記号のサイズはそろえて縦横の列を整える

  • 記号同士の間隔を同一程度に空けて重ねて配置しない

  • プロセスの処理内容や条件分岐の文章は簡潔にまとめる


きれいに整列させて、簡潔にまとめることを意識してください。


1つのフローは1ページに収める


そして、少し前述した通り、1つのフローは1ページに収めるようにしましょう。


複数ページにまたがってしまうと全体像が見えづらくなってしまいます。複雑な業務フローの場合は、細分化させてフローチャートにしてください。


フローチャートの種類


フローチャートの種類はいくつかあるため、それぞれの用途に合わせて使い分けることをおすすめします。


  • プロセスマップ

  • スイムレーン図

  • データフロー図

  • 業務フロー図(ワークフロー図)


それぞれについて詳しく説明します。


プロセスマップ


プロセスマップは、もっとも一般的なフローチャートで、プロジェクトや業務をマッピングするときに使用されるものです。


たとえば、システムエンジニアやプログラマーなどがプロジェクトの進捗状況を把握し、プロジェクトを完了させるために使うこともあります。


スイムレーン図


スイムレーン図は、プロセスの開始から完了までの流れをマッピングするときに使用されるもの。タスクや目標を横並びで記入します。


スイムレーン図を使用することにより、プロセスの担当者が異なる部署であっても時系列でフローを確認することができるため、円滑にプロジェクトを進行させることができます。


データフロー図


データフロー図は、その名の通りシステム内のデータの流れを表したもので、「DFD」と書かれることもあります。


データフロー図で使用される記号は「データフロー」「プロセス」「データストア」「外部実体」と種類が限られており、システム設計はもちろん、業務フローの分析や改善にも役立ちます。


業務フロー図(ワークフロー図)


業務フロー図(ワークフロー図)は、タスクや業務の内容および工程などをわかりやすく表現するために役立つフローチャートです。


各タスクの担当者やフローの確認、進捗状況の追跡などを直感的に把握できるようになるため、認識共有や円滑な業務進行に活用できます。


Larkドキュメントを使ってフローチャートを書いてみよう


今回は、フローチャートの概要やメリット、役立つシーンなどについて解説しました。


フローチャートを初めて見た方にとっては複雑なもののように見えるかもしれませんが、一度フローチャートを作成してみると、そう難しいものではないと気付くでしょう。


とりわけ無料で使い始めることができる「Larkツール」を利用すれば、簡単にフローチャートを作成することができます。


もちろん、手書きで作成することもできますが、ほかの人と共有したり複製したりしたい場合は、ITツールを使うほうが便利です。下記リンクをクリックしてフローチャートの作成方法をチェックしてみてください。



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