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RPAとは?代表的な機能やメリット・デメリットなどを解説


RPA(Robotic Process Automation)とは、人間が設定したシナリオ通りに正確かつスピーディーに作業を実行するもののこと。


直訳では「ロボットによる業務プロセスの自動化」となり、海外では、「デジタルワークフォース」とも呼ばれることもあります。


今回は、そんなRPAについて解説します。業務の効率化やミスの防止などが気になる方は、ぜひ参考にしてください。


RPA(Robotic Process Automation)とは


RPAとは「Robotic Process Automation」の頭文字を取ったもので、人間が設定したシナリオ通りにロボットが作業をおこなって自動化することを指します。


RPAは、人間以上に効率よく作業をこなし、24時間365日稼働可能です。複雑な判断を必要としない単純作業を得意としており、日々のルーティーンワークを人間の代わりにおこなってくれます。


その結果、人間はほかのメイン作業に集中でき、無駄な残業をする必要がなくなるでしょう。


VBA(Visual Basic for Applications)との違い


RPAと混同されやすいものとして「VBA」があります。


VBAとは、マイクロソフトが提供するExcelやWord、AccessなどのOfficeアプリケーションにおける処理の自動化を実現するプログラムのことです。


VBAは原則としてOfficeアプリケーションでしか動作しません。それに対して、RPAはパソコン内でおこなえる作業全般をこなすことができます。ただし、たとえば商品別の売上推移といったVBAが得意とするExcelでの複雑な統計加工処理などは、RPAは得意としないため、それぞれの長所を組み合わせて業務の効率化を図ることが推奨されています。


AI(Artificial Intelligence)との違い


RPAとAIの違いについても解説します。


AIは「人工知能」と訳されるもので、人間の思考や行動などを真似て人工的に再現するものです。それに対してRPAは、あらかじめ人間が命令した作業しかおこなうことができません。


ロボットが思考して行動するAIとは違うものだと理解するとよいでしょう。ただし、AIとRPAのあいだに明確な境界線は引きにくく、これらは相互的に発展しています。


作業の難易度別に3つのクラスに分けられる


RPAには作業の難易度別によって3つのクラスがあります。


▽RPA(Robotic Process Automation)


  • 難易度がもっとも低い

  • 設定されたルールに従って作業をおこなうのみ


▽EPA(Enhanced Process Automation)


  • 大量のデータを扱うのが得意

  • ロボットの自動判断により大量の画像を自動で振り分けることができる


▽CA(Cognitive Automation)


  • 難易度がもっとも高い

  • 大量のデータを扱うのが得意

  • 人間がおこなうような認知や判断を自動化できる

  • データ分析をしたうえで経営判断を下すこともできる


RPAの代表的な機能


RPAの代表的な機能は、人間がパソコン上で日常的におこなっているルーティーンワークを同じように実行すること。


実際に人間がおこなう作業手順を登録しておけば、人間が業務にあたるのと同じように複数のアプリケーションやシステムを操作し、同じ成果を出すことができます。


RPAへの登録もそう難しいものではありません。ほとんどのRPAツールは、画面操作記録やドラッグ・アンド・ドロップなどの機能を備えているため、プログラミングの知識がない方でも直感的に設定することができます。


そのため、初期設定や作業の見直しによる更新にかかる負担はさほど大きくありません。


RPAの種類


RPAの種類は「デスクトップ型」と「サーバー型(クラウド型も含む)」の2つに分けることができます。それぞれの特徴を解説します。


デスクトップ型


デスクトップ型とは、RPAツールをインストールしたパソコン内で稼働させるタイプのもののこと。比較的安価で操作が簡単です。


ただし、あくまでも担当者のパソコン内で稼働するため、RPAツールの利用範囲を担当者から部門、事業部へと拡大していくのは難しいというデメリットがあります。


サーバー型(クラウド型も含む)


サーバー型(クラウド型も含む)とは、RPAツールをPCにインストールするのではなく、サーバ内で稼働するもののこと。


RPAツールの利用範囲を担当者から部門、事業部へと拡大していくのに何の支障もなく、多数のロボットを同時に稼働させることも可能です。


デメリットは、費用がデスクトップ型よりも高くなることが多いところ。とはいえ、安価で利用できるRPAツールもあります。


たとえば、Larkの「ワークフロー自動化機能」は、無料で利用開始できます。その無料のStarterプランでも1ヵ月に5,000回実行可能です。まずはその便利さを実感するところから始めてみてはいかがでしょうか。




RPAの長所と短所


ここで、RPAの長所と短所を整理してみます。


▽長所


  • 正確かつ早く作業を実施する

  • 24時間365日稼働し続けることができる


▽短所


  • あらかじめ命令されたことしか作業できない

  • 複雑な作業を実行するためには、タスク分解された複数工程の命令を与えなければならない

  • トラブル対応ができない。もしトラブルが発生すると処理が止まる


RPAの短所を見ると、まるで新人社員に似ていると言われることもあります。ただし、真似できないのが、正確かつ早い作業スピードや、24時間365日稼働など。


「この作業はRPAが得意とするところだからRPAに任せよう」「トラブルが発生したら人間が代わって対応しよう」などといった適切なRPAと人間の組み合わせが必要です。


RPAを導入するメリット


次に、RPAを導入するメリットについて解説します。ポイントは以下の5つです。


  • 業務効率化を図れる

  • 人件費を抑えられる

  • ミスを防ぎやすい

  • 24時間365日稼働できる

  • 人間はメイン業務に注力できる


それぞれについて詳しく説明します。


業務効率化を図れる


RPAを活用するとさまざまな作業を自動化できるため、ルーティーンワークを任せることができます。何か別の作業をおこないながら、RPAが問題なく作業しているか、たまにチェックするだけで大丈夫でしょう。


さらに、RPAのなかにはAIと連携可能なツールもあります。AIと連携させたタイプは大量のデータを迅速に処理できるだけでなく、まるで人間かのような判断力で高度な自動化にも対応可能です。


人件費を抑えられる


RPAは人間に代わって作業をおこなうため、その分の人件費を抑えることもできるでしょう。


RPAの設定自体は手間がかかり、適宜変更があれば更新する必要がありますが、一度完成してしまうと「こんなにも楽に作業が完了するんだ」と驚くほど、多くのことを自動化できます。


ミスを防ぎやすい


RPAの長所のひとつが、人間があらかじめ命令した通りに正確に作業すること。人間の場合なら、ミスを防ぐためにダブルチェックなどをおこなわなければいけないかもしれません。RPAなら、そういったミスを犯さないため、ダブルチェッといった手間を省くことかできます。


24時間365日稼働できる


RPAは、ロボットのため、人間のように休む必要がなく、24時間365日稼働可能です。


深夜および早朝や土日祝もまったく関係なく稼働できるため、処理するのに時間がかかる作業ならあらかじめ帰社直前にRPAを開始しておき、次の出勤日の朝に成果を確認するという方法をとることができます。


そういった結果、スケジュールの大幅短縮につながり、顧客満足度をさらに向上できるかもしれません。


人間はメイン業務に注力できる


ルーティンワークをRPAが担当することによって、人間はメイン業務に注力できるようになります。


単純作業のくり返しばかりおこなっていると「面倒だな」「モチベーションが上がらない」などと感じてしまう方も少なくありません。そういった意欲の低下を防ぎ、さらに付加価値が高いメイン業務に注力できるのは、組織全体にとって有益です。


RPAを導入するデメリットと注意点


続いて、RPAを導入するデメリットと注意点について解説します。ポイントは以下の3つです。


  • システム障害やバグが発生したら業務が停止してしまう

  • 情報漏えいのリスクがある

  • 業務がブラックボックス化しやすい


それぞれについて説明します。


システム障害やバグが発生したら業務が停止してしまう


システム障害やバグが発生したら、RPAは処理できなくなり、業務が停止してしまいます。さらに、サーバーがダウンすると作業データが消失してしまう恐れもあるでしょう。


そのため、時間はかかってもいざとなったら人間が代行することもできる状態にしておくことが理想的だと言えます。


情報漏えいのリスクがある


RPAツールのほとんどはセキュリティ性が上がっているものの、情報漏えいのリスクはゼロではありません。


これらを防ぐためには、アップデートを欠かさずおこない、IDやパスワードは複雑なものにして限られた人間しか知ることができない環境をつくりましょう。


業務がブラックボックス化しやすい


RPAを導入すると人間がその業務を手作業でおこなわなくなるため、担当者の異動や退職に伴い業務内容や手順がブラックボックス化しやすくなってしまいます。


「仕組みはよくわからないけれども、このボタンを押すと集計されてグラフが表示される」といった方も見かけるのが現実なところ。


トラブル発生時は、人間が対応することになるため、具体的な処理内容について記載している資料を残しておくことをおすすめします。


RPA導入事例|5つのパターン


具体的にRPAのメリットをイメージするために導入事例を5つ紹介します。


1.日次売上の集計報告


ルーティンワークのひとつである、日次売上の集計報告はRPAの得意とするところです。


たとえば、全国各地のPOSシステムから届く売上速報値を日次で集計する業務にRPAを導入するイメージを持ってください。


店舗別のExcelファイルの情報をデータベースに登録後、必要情報を抽出してテンプレートファイルに転記し、メール添付で日次売上を報告すべきところに送信します。


実際にRPAを導入した企業のなかには、従来の約10倍まで処理速度を向上させたところもあります。


2.勤怠管理


勤怠管理にRPAを導入することもできます。


たとえば、休職中や出向中などの社員については、人事部の担当者が毎月本人に代わって手作業で登録している場合、RPAを導入することで大幅な業務効率を図れるでしょう。


実際には、勤怠管理をおこなう対象者リストをExcelファイルから読み込み、このデータをもとに時間管理アプリを操作して勤怠管理システムに反映させるといった仕組みです。


3.郵便物の管理


郵便物の管理にRPAを導入することも検討してみてください。


たとえば、顧客管理システムに登録されている顧客番号をもとに配送物台帳のExcelファイルを検索し、追跡番号を取得後、配送状況や到着見通しをパソコン上で確認できるような仕組みをとっていると、作業効率化やミス防止を図ることができます。


4.競合会社の価格変動調査


競合調査や市場調査などは、定期的におこないたいものの、手が空かず置き去りにされやすい業務のひとつです。


そこでRPAを導入して自動で集計をおこなってもらうことを考えてみましょう。たとえば、複数の競合サイトを巡回して取得した商品名や価格をExcelファイルに集計するのはいかがでしょうか。新商品や価格の大幅値下げがあれば、すぐに気付けるようになっています。


5.紙帳票のデータ化


請求書や領収書などの帳票を紙でやりとりしている組織はその処理や管理に手こずっているのではないでしょうか。


そこで、文字認識スキャンと連動させ、紙帳票をデータ化して集計するRPAを導入するとよいでしょう。ミスが許されない経理業務も円滑におこなえます。


RPAを選ぶときのポイント


RPAを選ぶときは以下のポイントを押さえることをおすすめします。


  • 自社の業務に必要な機能がそなわっているか

  • 適切な価格か

  • 自社の規模(データ量)にあっているか

  • 継続的に運用できるか

  • 自社向けにカスタマイズする必要があるか

  • デスクトップ型またはサーバー型(クラウド型も含む)のどちらが適しているか


もしうまくマッチングしなければすぐに解約できたり一度無料でお試しできたりするものを選ぶと安心です。


RPAにLark「Baseのワークフロー自動化機能」を使おう


本記事では、RPAの概要や代表的な機能、メリット・デメリットなどを解説しました。


RPAの便利さに気付いたけれども、「いったん無料でお試ししてみたい」という方もいるかもしれません。そういった方におすすめなのが、Lark「Baseのワークフロー自動化機能」です。


本文でも紹介した通り無料で利用開始できます。その後、利用する回数を大幅に増やすこともできるため、ルーティンワークが多い組織にもおすすめです。少しでも気になったら、下記リンクからチェックしてみてください。




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